夢を見た。
「長門、好きだ。」
あの人が言った。
好き。
人にとって特別な感情を含む言語。
それを観察対象である彼が観察者である私に伝達する。
この事象は私と言う固体そして私に連なる情報統合思念体にとっては好ましい意味を持たない。
それゆえに私は彼の持つ感情を拒否すべき。
「私はあなたの感情を受け入れる術は持たない。」
「ああ。知ってる。」
彼は笑う。
でも好きだと微笑む。
その笑顔は私を
わたし
を
嬉しいという感情で満たした。
###
夢を見ました。
「朝比奈さん、好きです。」
「え…えぇっ?!」
キョン君が、私を?!
でもいけません。
私はこの時間軸には交わらない存在です。
それに。
キョン君がそんな事を言ったら涼宮さんが怒って
また時空を歪めてしまいますぅっ!
「ええ、よく知ってますよ。」
でも好きです。
そう言ってキョン君は笑いました。
どうしよう。
どうしたらいいんでしょう。
こんなに、
こんなに嬉しい。
####
夢を見たんですよ。
「古泉、好きだ。」
「…え…?」
彼は何と言いましたか?
僕を、好き?
何をとんでもない事を言ってくれるんですか。
あなたは神たる涼宮さんの想い人なんですよ。
そんな事を言えば世界が終わってしまう。
僕はそれを阻止するためだけに存在してるんですよ。
第一、男同士でしょう。
「んなこた、分かってるよ。」
けど好きなんだから仕方ないだろ。
そう言って彼は笑った。
分かってませんよ。
あなたは。
そう言われて
僕がどれだけ
嬉しかったか。
###
夢を見たのよ。
「ハルヒ、好きだ。」
キョンが、そう言ってくれた。
「何…バカ言って…。」
「バカはないだろ。」
好きだって言ってるのに。
「…ホント…?」
「ああ。」
キョンは見たこともない顔で笑った。
嬉しい。嬉しい。嬉しい。
大好き、キョン。
####
夢を
見た。
俺は誰かに好きだと伝えていた。
俺の手を取ったのは誰だったのだろう。
End
かなり楽しんで書きました。SOS団の皆が見た夢。
ちょっと切ない風にかけてたらうれしいです。
戻る